私は、会社員の頃からずっと、好きなこと、やりたいことを探してきました
使命やミッションを探して、色んな講座やワークショップを受けてきたのです
あの頃の自分を思い返すと、ぴったりの言葉に出会いました
「機能的フリーズ」です
これ、まさしく私だったなぁと思いました
好きなこと、やりたいことをずっと探し続けていたのは
自分の感情がビビッドに感じられなかったからなのでしょう
そして、最近お会いしたお客さまや受講生さんたちも
多かれ少なかれ、この状態にある方が少なくないと感じています
外では回っているのに、心が動かない「機能的フリーズ」とは
家庭もきちんと回している、子育てもしている、お仕事もきちんとしている
なんなら優秀で、周りとも協調して、リーダーシップを発揮している
そんなふうに思われているような人が
実はその内側では、自分が本当に何をしたいのか分からず
楽しさ、喜び、怒り、悲しみなどを十分に感じられなかったり、本音が分からなかったりする
「機能的フリーズ」は、そんな状態を指す言葉として、海外のセラピストたちの間で使われ始めています(SNSから広まった言葉で、医学的な診断名ではありません)
たとえば、こんな感覚に心当たりはないでしょうか
- 休みの日に「何がしたい?」と聞かれても、すぐに浮かばない
- 嬉しいはずの場面なのに、嬉しさがあまり湧いてこない
- 「大丈夫?」と聞かれると、考える前に「大丈夫」と答えている
- 泣いたり怒ったりしている人を見ると、自分とは遠い世界のことのように感じる
当てはまることが多かったとしても「フリーズである」わけではありません
もし「なんだか思い当たるな」と感じたら、この先を読んでみてください
なぜ頑張れてしまうのか|「役割・任務という鎧」が、あなたを守ってきたから
「ちゃんとしなければ」
「人に迷惑をかけてはいけない」
「仕事は何よりも最優先」
「これくらい、大したことない」
こういった信念は、社会ではとても役に立つものです
それが正しく、褒められて、良いことである、そう私たちは教えられてくるからです
周りを優先し、自分を後回しにして、目立たないように
主張しないように、そう育てられてくることがとても多いのです
それは、その場所に「適応」するため
その場所で「役に立つ」ため
ひいてはそれは、そこに居場所を作るためであったりもします
この「適応」こそが、役割・任務という鎧です
しかしその「適応」が度を過ぎてしまうと
ご自身の体調や、家族との時間よりも、仕事を優先してしまったり
「こうするべき」「やらなきゃ」を優先するあまり
自分の感情を、どこかに置き去りにしてしまうこともあるのです
また同時に、感情を感じないことで
イヤなことでも我慢してやり遂げ、乗り越えてこられた面もあります
「大したことない」という考えは、
つらさを小さく見積もること(矮小化)でもありますが
生き抜くための、成長するための、大切な術だったのです
特にそれは、大切な人との関係性を維持するために必要だった、
そんなお話を多く伺ってきました
大切な誰かを責めずに済み、その関係を壊さずにいられた……
鎧は、ちゃんと役目を果たしてきた|問題は、今も脱げずにいること
大人になり、自分で選べるようになった今も
「適応」の鎧は、着たときのまま、私たちの中に残っていることがあります
その鎧を着たまま、毎日を回し続けている
その表れのひとつが、「機能的フリーズ」なのだと私は考えています
「感じればいい」とはいかない、3つの理由
「じゃあ、感情を感じればいいんだ」と思われるかもしれません
でも、そう単純にはいかないのです
理由は3つあります
1つめは、感情を感じること自体が「危険だ」と思っていること
かつて、感じたら立ち止まってしまう、感じたら居場所を失う
そんな状況を生き抜いてきた方にとって、感じることは、安全ではなかったのです
2つめは、考えることで乗り切ってきたため、身体の感覚が後回しになっていること
感情は、思考ではなく、身体の感覚として起きているものです
(「悲しみ」はどこにある?|感情は「心」ではなく「身体」から考えるもあわせてどうぞ)
思考で対処することで生き延びてきた方ほど、身体の声が届きにくくなっています
3つめは、いつも注意が外に向いていること
家族の様子、職場の空気、相手の機嫌
周りを優先し続けてきた方は、外に目を配ることにとても長けています
その分、自分の内側を確かめる余裕が残っていないのです
その状態のまま
「感じよう」としても、なかなか難しいのです
頭でわかっても、感じられるようになるわけではない
「鎧を着ていたんだ」と気づけただけでも、大きな一歩
ただ、わかったことと、感じられることは別のものです
「わかっているのに、できない」ことには、ちゃんと理由があります
そこは、こちらの記事でもお話ししています
→ 「頭ではわかっているのに、できない」理由|本音は身体に閉じ込められている
だからこそ、焦らなくても大丈夫
まず、自分の内側に耳を澄ますことから
「今、私はどう感じている?」
1日の中で、そう自分に問いかける時間を、少しだけ作ってみてほしいのです
答えが出なくても、大丈夫です
「わからないな」と気づけたことも、立派な一歩です
そして、もう少し先へ進みたいなら、「ビリーフリセット」という方法があります
「ビリーフ」とは、幼い頃からの経験の中で身についた、無意識の思い込みのこと
「感じることは危険だ」「周りを優先しなければ」
といった信念も、あの頃の自分を守るために必要だったもの
(詳しくは、生きづらさの正体は、「ビリーフ」かもしれないをご覧ください)
ビリーフリセットは、そうした信念を「なくす」のではなく
今の私に必要があるかどうか、ひとつずつ仕分けていく作業です
信念がゆるむと、心が「もう感じても大丈夫」と思えるようになります
そうして初めて、身体の感覚にも、少しずつ触れていけるようになっていきます
怠けているからでも、冷たいからでもない
心が動かない、感情がわかない
それは、あなたの責任ではありません
周りを優先して、自分の感情を感じる暇もないほど頑張ってきた
でも、その「鎧」のおかげで、今のあなたがいます
ただ、もう脱いでもいい場面が、増えてきているのかもしれません
急いで脱がなくても大丈夫です
まずは、「私、ずっと頑張ってきたんだな」と気づいてあげること
私がお会いしてきた方たちは、そこから少しずつ、感じる力が戻ってきています
「何をしたいのか分からない」「感情が動かないことに違和感がある」
——そんな感覚に心当たりがあるなら、一緒に取り戻していきましょう
カウンセリングセッションでは、これまで身につけてきた「鎧」を言葉にして、今のあなたの生きづらさとのつながりを、丁寧にひも解いていきます
