何かをしていないと価値がない?|事実を受け入れる、DoingからBeingへ

何かをしていないと価値がない?|事実を受け入れる、DoingからBeingへ ビリーフ・思考のクセ

「できていない自分」を責めてしまう人へ

「今日は何もできなかった」
「仕事が思うように進まなかった」
「休んでしまった」
「人に迷惑をかけてしまった」

そんなとき、私たちはつい

「もっと頑張らなきゃ」
「こんな自分じゃダメだ」
「本当はできたはずなのに」

と、自分を責めてしまいます

でも、そんなとき、少し立ち止まってみてください

そのとき、実際に起きていることは何でしょうか

たとえば、「今日は一日、寝ていた」

ただ、それだけかもしれません

なのに私たちは、その事実に、

「何もできなかった」
「怠けている」
「時間を無駄にした」
「ちゃんとしなければ」

と、たくさんの意味を付け加えていきます

そして、いつの間にか、
「寝ていた」という事実そのものではなく、
その事実に対する自分の評価によって、苦しくなっている
——そんなことがあります

事実と、そこに付け加えた意味は違う

これは、気持ちを楽にするうえで、とても大切な点です

たとえば、「今日は仕事をしなかった」

これは事実です

でも

「仕事をしなかった」
 ↓
「何もしていない」
 ↓
「私は怠けている」
 ↓
「こんな自分ではダメだ」

となると、もう「事実」ではありません

そこには、自分の解釈や評価、期待、理想、思い込みが加わっています

同じように、「上司から注意された」という出来事があったとしても、

「私は仕事ができない」
「嫌われた」
「期待に応えられなかった」

というところまで考えてしまうと、それはもう事実そのものではありません

「上司から注意された」という事実に対して、自分の中で意味づけをしているのです

もちろん、その意味づけが間違っているとは限りません
本当に仕事上の改善点があることもあるでしょう

でも、事実と、自分がそこに付け加えた意味を、一度分けてみる

これだけでも、心の自由度は大きく変わります

「事実」をそのまま見ることについて、もっと詳しく知りたい方は、
こちらの記事もあわせてご覧ください
事実をそのまま見る技術、一生使える”心の観察力”の鍛え方

「〜すべき」が増えるほど、現実との距離が広がる

特に苦しくなりやすいのが、
「本当はこうあるべき」という理想と、
今の現実との間に、大きな差があるときです

「もっと仕事ができるべき」
「ちゃんと家事をするべき」
「人に優しくあるべき」
「もっと成長するべき」
「前向きであるべき」

こうした「〜すべき」が悪いわけではありません
理想を持つことも、向上心を持つことも大切です

ただ、「こうあるべき」という理想を、今の自分を否定する材料にしてしまうと、苦しくなります

「今はできていない」という事実から、「だから私はダメだ」という自己否定に飛躍してしまうから

まず、「今こうなっている」を受け取る

では、どうすればいいのでしょう

私はまず、「今、こうなっているんだな」と、そのまま受け取ってみることをおすすめします

仕事ができていないなら、「今、仕事ができていないんだな」
休んでいるなら、「今、休んでいるんだな」
疲れているなら、「今、私は疲れているんだな」

それだけ

すぐに、「じゃあ、どうすればいい?」「もっと頑張らなきゃ」と無理やり変えようとしなくても大丈夫

まずは、現実を現実として受け取る
ここから始めます

これは、「諦める」ということではありません
まして、「何もしなくていい」ということでもありません

むしろ逆

現実をそのまま受け取れるようになると、
「では、私はここからどうしたい?」と、次の選択ができるようになります

Doingではなく、Beingを見る、という視点

自分を責めなくなる——これは、とても大きな変化です

でも、そこまで来た人が、次にこんなところで立ち止まることがあります

「自分を責めなくなったけど、じゃあ私はどう生きたいんだろう?」
「何をすればいいのかわからない」

ここで参考になるのが、心理学やコーチングの世界で語られる、
「Doing」と「Being」という、2つの視点の違いです

Doingは、「何をしているか」という視点です

仕事をしている、勉強している、誰かの役に立っている、何かを達成している
その行動自体はとてもポジティブです

——しかし反対に、仕事をしていない、休んでいる、何もしていない、ときには「私は何もしていない」と、行動していない自分の価値を低く感じてしまうことがあります

Beingは違います

「何をしているか」ではなく、「どう在るか」を見る視点です

たとえば、「寝ている」という同じ事実でも

Doingの視点では、「何もしていない」となるかもしれません

でもBeingの視点では、「休んでいる」「身体を回復させている」「今、ここにいる」と見ることができます

もちろん、どちらも事実の一側面です

大切なのは、「何かをしていなければ、自分には価値がない」という世界から、少し自由になることです

「存在」それ自体に価値がある

カウンセリングをしていると、
「私はここにいてはいけない気がする」
「役に立たないと価値がない」
という感覚を持っている方に出会うことがあります

これは、幼い頃からの経験や人との関係、ビリーフなどが関係していることもあります

だから、「自分には存在価値がある」と頭で言い聞かせても、なかなか実感できないことがあります

でも、私はここで、もっとシンプルに考えてみてもいいと思うのです

「私は、今ここにいる」

これは事実です

そこに、
「でも、役に立っていないから……」
「もっと頑張らないと……」
と、条件をつける必要はありません

存在していることと、何かを成し遂げていることは、本来、別の話だからです

「今の自分」を受け入れると、選択肢が増える

「今の自分を受け入れる」と聞くと、「じゃあ、成長しなくていいの?」「努力しなくていいの?」と思うかもしれません

でも、そうではありません

現実を受け入れることと、現状を固定することは違います

たとえば

「今、私は疲れている」と認めたからこそ、「今日は休もう」という選択ができます

「今、仕事がうまくいっていない」と認めたからこそ、「何が問題なのか考えてみよう」という選択ができます

「私は本当は、この仕事をやりたくない」と認めたからこそ、「では、どう生きたいのか」を考えることができます

つまり、事実を否定しないことは、行動を止めることではありません

むしろ、現実を正確に見ることで、初めて自分で選べるようになる

私はそう考えています

自由になるとは、「何でもできる」ことではない

私たちは、「自由になる」というと、何でもできること、何者にでもなれること、制限がなくなること——そんなふうに考えがちです

でも、本当の自由は、もっと静かなものなのかもしれません

今の自分を否定しなくていい
今の現実を、無理に変えなくてもいい

そして、「ここから私はどうしたい?」と、自分で選べる

その状態こそ、私は「自由」に近いのではないかと思っています

まとめ:「今の自分」から始めよう

「事実を受け入れる」と聞くと、「仕方ないと諦めること」のように感じる人もいるかもしれません

でも、私はそうは思いません

事実を受け入れるというのは、「今、こうなっている」と現実を正しく見ること

そして、そのうえで、「私は、ここからどうしたい?」と、自分の人生を選び直していくこと

「こうあるべきだった自分」ではなく、「今、ここにいる自分」から始める

Doingだけで自分の価値を測るのではなく、
Being——ただ、ここにいる自分にも目を向けてみる

そうすると、「できていない自分」も、「休んでいる自分」も、「迷っている自分」も、少しずつ、自分の人生の中に居場所を持てるようになります

まず今日は、何かができなかった自分を責める代わりに

「今、私はこうなんだな」

と、ご自身を見てあげてください

そして、その自分に、「じゃあ、ここからどうしたい?」と、内側に聴いてあげてください

答えがすぐに出なくても大丈夫

今、ここにいる自分と、一緒にいてあげる

まずは、そこから始めていきませんか..

「今の自分」を、一緒に受け取りたいなら

自分を責める代わりに、今の自分を認める——それは、簡単なようで、一人では難しいこともあります
カウンセリングセッションでは、その一歩を一緒に進みます

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