いきなり理路整然と話せる人はいません
セッションが始まると、まずお客様が今どのような状況にあるのか、何が起こっていて、どのようなお気持ちなのかを伺っていきます
しかし、私から話を伺って進めていくことはあまりありません
お客様のお話したいことを、お客様のペースでお話頂くことを大事にしています
なぜかというと、私のセッションは「暗中模索」を一緒に行うこと、だからです
カウンセリングって、何をするかよくわからないかもしれません
アドバイスをもらえるのかな?何か教えてくれるのかな?もちろんそういった側面もあります
しかし私は、その方の「内側」で「何か起こっているのか」を一緒に体験していく、これをとても大事にしています
何に困り、立ち止まり、困惑し、悩み、迷い、どのような思いを抱いて、ここまでこられたのかを伺います
そんな時、理路整然と話される方は、ほとんどいらっしゃいません
つっかかり、考えながら、時に沈黙し、最適な言葉を探して
こうじゃない、これかな?こうかな?と試行錯誤しながら、時にはこうですか?こんな感じですか?と、2人で確認しながら対話を進めていくことがほとんどです
「全然関係ないかもしれないけど……」という魔法のことば
言葉を紡いでいく中で、ふと遠くを見つめるように、もしくは、床に目を落とすようにした瞬間に
こぼれ落ちる「あるフレーズ」があります
「あの、全然関係ないかもしれないんですけど……」
「こんなこと話していいのか分からないんですが……」
こんな言葉が聞こえると私は
「あぁ、それはきっと、私が今日一番聞きたかったお話に違いありません」とそう思うのです
それは、私にとっての「魔法のことば」
このことばが聞けると
「あぁ、本心の蓋を開けられたんだな」と、背筋が伸びるような軽い緊張と、深い安心感を感じます
「自分ですら、わからなくなる」ほど大切に隠したもの
先日お会いしたあるお客様も、そうでした
お話の途中でふと、「関係ないかもしれないんですけど……」と、それまでの悩みとは一見つながりのない、ある記憶について語り始められました
お話しされるうちに、その方の目から静かに涙が溢れます
そして、こうおっしゃったのです
「こんなに大切にしていたことなのに、自分ですら、わからなくなってしまうなんて……」
それは、ご自身でも気づかないほど深い場所に眠っていた、ご自身の「本心」に触れた瞬間でした
それまで論理的に状況を説明していた意識のガードがふっと解け、潜在意識が「今、これを出すタイミングだよ」と、宝物を差し出してくれたのです
この記事を読んでいるあなたも、もしかしたら「自分の本心がわからない」と思われているかもしれません
でもそれは、あなたが自分の想いを、それほどまでに「大切に、大切に隠して守ってきた」証拠でもあるのです
なぜ「関係ない話」が、解決の金脈になるのか
なぜ、あんなにひた隠しにしていた本心が、ふとした拍子に「関係ない話」として出てくるのでしょうか
そこには、4つの心理的な働きがあると考えられます
4つの心理的な働き
1. 無意識の防衛
本当に大切なことに触れるのは、時に痛みを伴います
そのため、無意識に「大したことじゃないですよ」と価値を低く見せることで、自分を傷つかないよう守っている場合があります
2. 「変化」への恐れ
核心を話してしまったら、今の自分(あるいは現状)が変わってしまう——その変化を恐れる心が、あえて「無関係な話」だと、顕在意識がブレーキをかけている状態かもしれません
3. 「ここは安全?」という信頼の確認
「こんな話をしても否定されないだろうか」と、無意識に安全性を確認している可能性もあります
ひょっとしたら出してもいいのかもしれない……と、身体が感じたときに出てきている気がします
4. 点と線がつながる「直感」のサイン
顕在意識では無関係だと思っていても、潜在意識は「これが原因だよ」と答えを知っています
理屈を越えて、ふと湧いてきたものこそ、真理であることも多いものです
その「ふと思った」を、大切に
セッションは、その固く閉じられた場所に、二人で静かに触れていく時間です
もしあなたが、セッション中はもちろん、ふとした日常の中でも
「こんなこと言っても意味ないかな」
「関係ないよな」
と思うことがあっても、どうかそれを無視して、消さないであげてください
その小さな違和感や、些細な思いつきの中にこそ、あなたがあなたらしく生きるための、一番大切なヒントが隠されているからです
まとめ:あなたの本心は、あなたが一番よく守ってきた
「関係ないかもしれない」という前置きの奥には、あなた自身が長い間、大切に守ってきた本心が眠っていることがあります
一人で向き合おうとすると、その小さな違和感は、つい見過ごされてしまいがちです
私は、その「魔法のことば」を聞けるのを、いつでも楽しみに待っています
あなたの「関係ないかもしれない」を、一緒に探しましょう
日常の中で見過ごしてしまいがちな、小さな違和感や思いつき。それこそが、あなたの本心につながる大切な手がかりです。カウンセリングで探していきましょう
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