セッションが始まると私は、まずお客様が今どのような状況にあるのか
また、どのようなお気持ちなのかを伺っていきます
何に困り、立ち止まり、困惑し、悩み、迷い、どのような思いで、ここまでこられたのかを伺います
そんな時、理路整然と話される方は、ほとんどいらっしゃいません
つっかかり、考えながら、
時に沈黙し、最適な言葉を探して
こうじゃない、これかな?こうかな?と試行錯誤しながら
時にはこうですか?こんな感じですか?と、2人で確認しながら対話を進めていくことがほとんどです
言葉を紡いでいく中で、ふと遠くを見つめるように
もしくは、床に目を落とすようにした瞬間に
こぼれ落ちる「あるフレーズ」があります
「あの、全然関係ないかもしれないんですけど……」
「こんなこと話していいのか分からないんですが……」
そして、こんな言葉がそのあとに続くと
あぁ、それはきっと、私が一番聞きたかったお話に違いありません
そう思うのです
それは、私にとっての「魔法のことば」
このことばが聞けると
「あぁ、本心の蓋を開けられたんだな」と、
背筋が伸びるような軽い緊張と、深い安心感を感じます
前半戦、ほっと一安心というところです
「自分ですら、わからなくなる」ほど大切に隠したもの
先日お会いしたあるお客様も、そうでした
お話の途中でふと、
「関係ないかもしれないんですけど……」と、
それまでの悩みとは一見つながりのない、ある記憶について語り始められました
お話しされるうちに、その方の目から静かに涙が溢れます
そして、こうおっしゃったのです
「こんなに大切にしていたことなのに、
自分ですら、わからなくなってしまうなんて……」
それは、ご自身でも気づかないほど深い場所に眠っていた
ご自身の「本心」に触れた瞬間でした
それまで論理的に状況を説明していた
意識のガードがふっと解け、潜在意識が
「今、これを出すタイミングだよ」と
宝物を差し出してくれたのです
この記事を読んでいるあなたも、
もしかしたら「自分の本心がわからない」と思われているかもしれません
でもそれは、あなたが自分の想いをそれほどまでに
「大切に、大切に隠して守ってきた」証拠でもあるのです
なぜ「関係ない話」が、解決の金脈に?
なぜ、あんなにひた隠しにしていた本心が
ふとした拍子に「関係ない話」として出てくるのでしょうか
そこには4つの心理的な働きがあると考えられます
1. 無意識の防衛 本当に大切なことに触れるのは、時に痛みを伴います
そのため、無意識に「大したことじゃないですよ」と価値を低く見せることで、自分を傷つかないよう守っている場合があります
2. 「変化」への恐れ 核心を話してしまったら、今の自分(あるいは現状)が変わってしまう、その変化を恐れる心が、あえて「無関係な話」と顕在意識がブレーキをかけている状態かもしれません
3. 「ここは安全?」という信頼の確認 「こんな話をしても否定されないだろうか」と、無意識に安全性を確認している可能性もありますね、ひょっとしたら出してもいいのかもしれない……とからだが感じた時に出てきている気がします
4. 点と線がつながる「直感」のサイン 顕在意識では無関係だと思っていても、潜在意識は「これが原因だよ」と答えを知っています、理屈を越えてふと湧いてきたものこそ、真理であることも多いものです
「ふと思った」を大切に……
ことばのセッションは、その固く閉じられた場所に、二人で静かに触れていく時間です
もしあなたがセッション中はもちろん、ふとした日常の中でも
「こんなこと言っても意味ないかな」
「関係ないよな」
と思うことがあっても、どうかそれを無視して消さないであげてください
その小さな違和感や、些細な思いつきの中にこそ
あなたがあなたらしく生きるための、一番大切なヒントが隠されているからです
私はその「魔法のことば」を聞けるのを、いつでも楽しみに待っています

