「早期不適応的スキーマ」とは

スキーマとは「認知の枠組み
「心のOS」のようなものと説明してきました
では、今回お伝えする「早期不適応的スキーマ」とは、なんでしょうか

以前、スキーマは「私たちが外界の情報を効率的に理解・整理・記憶するための大変便利な仕組み」
とお伝えしました。もともとスキーマは、その時の環境や条件下において機能的にはたらく「適応的」なものです

しかし、「早期」とあるように人生の早い段階(幼少期から思春期くらいまで)に作られたスキーマは、「大人になった現在の立場や状況」には適合しなくなっている(不適応的な)ケースがあります

これが「早期不適応的スキーマ」です

幼い頃の環境や人間関係、またその子自身の気質や体質に「適応」していた「枠組み(OS)」も、大人になり世界が広がっていき、周囲の環境も変わっていきます

今となってはもう必要ないにもかかわらず、古いOSをアップデートしないまま使い続けてしまうため、現在の日常生活や仕事、人間関係において「システムエラー(生きづらさ)」を引き起こしてしまうのです

  • 過剰な不安や恐怖: 誰も自分を責めていないのに「自分は足りないのではないか」と感じる
  • 自己否定: どれだけ成果を出しても「自分には価値がない」と思い込む
  • 行動の制限: 「どうせ失敗する」と新しい挑戦や、新しい役職にしり込みしてしまう

私自身の例をお話しますと..

例えば、私の母は当時まだ珍しい、職業を持つ母親でした。そのため私は、自分の事は自分でできる「しっかりした子」と言われる子ども時代を過ごしました

それは、忙しい母に迷惑をかけないように、手を煩わせないようにと、子どもの私が無意識に選んだ「適応策」だったのです

そのまま大人になり、仕事はちゃんとしていて任せられると言われてきましたが、本当に困ったのは人間関係(特にパートナーシップなどの親密な関係性)です

出来ないことを、「できない」「助けて」と言えないのです
寂しい時に「寂しい」「一緒にいて欲しい」と伝えらえないのです

それだけでも苦しいのですが、そうこうしているうちに「あなたはひとりの方が好きみたいだね」と、好きな人が離れていってしまう

当時の私は、なにがどうなってそうなるのか!
まったく意味不明でした

それどころか、自分に何が起こっているのか
どうして、願いとは真反対になってしまうのか
わからないまま、ただただ混乱していました

実は、それこそが私が幼い日々に作った古いOS(早期不適応的スキーマ)
アプデされないまま働き続けていた、からなのです

それは、
母に迷惑をかけてはいけない
という
「ひとりぼっち・つながれない」領域にあるスキーマが作動していた状態でした

スキーマ療法では
こうした生きづらさの根底にある思い込みを
「5つの領域・全18種類」に分類されています

あなたの日常にある「なぜかうまくいかないパターン」が
当てはまるものがありそうでしょうか?
まずは、一覧をご覧ください

スキーマの5つの領域と全18種類

太字👆をタップすると詳細が開きます

第1領域:人との関わりの断絶

「愛してもらえない」「守ってもらえない」「理解してもらえない」スキーマ👆
  • 1.見捨てられ(不安定)スキーマ
    「身近な人は自分を見捨てていってしまう」「大切な人は必ず私のもとを去っていく」
    2.不信・虐待(被害)スキーマ
    「人は自分を攻撃し、利用し、傷つけ、欺くものである」「うっかり人を信じると、ひどい目にあう」
    3.愛されない・わかってもらえないスキーマ
    「人は自分を愛してくれない」「私は人に受け入れてもらえない」「私の気持ちは誰にもわかってもらえない」
    4.欠陥・恥スキーマ
    「自分は本質的に人としての欠陥がある」「根本的にダメ人間だ」「欠陥だらけのポンコツなのでいいところなんてない」「内面を知られたくない、恥ずかしい」
    5.孤立(異質・疎外)スキーマ
    「自分は誰にも似ていない」「変わり者、変人だ」「世界から孤立している」「地球に居場所はない」「家族に味方はいない」

第2領域:できない自分

「うまくできない」「ダメ人間」「無力」スキーマ👆
  • 6.無能・依存スキーマ
    「自分は無能」「自分は何もできない」「ばか」だから「誰かに助けてもらわなければいけない」「人をあてにし、依存する」「自分でやろうとしない」「考えない」
  • 7.この世は何があるかわからないし、自分はそれにいとも簡単にやられてしまうスキーマ
    「事故、災害、発作など、いつどんな恐ろしいことが、自分の身に振りかかるかわからないし、
    それを防ぐこともできないし、対処する事もできない」「何かあった時に圧倒されてしまい、手も足も出ない」「自分にはどうすることもできない」
  • 8.巻き込まれスキーマ
    「自分は、いつも誰かに巻き込まれている」「自分には『自分』がない」
    「自分は『自分』を生きていない」「生きている実感がない」
    「いつも大変なことが(災難が)降りかかってくる」
  • 9.失敗スキーマ
    「自分はこれまで失敗ばかりしてきた」
    「自分は何をやっても失敗する」「どうせこれからも、きっとうまくできない」
    「どうせ失敗するから、やらない」「やるだけ無駄」「努力は報われない」

第3領域:他者を優先し、自分を抑える

「自分は二の次」「常に相手や周り優先」「自分を出してはいけない」スキーマ👆
  • 10.服従スキーマ
    「叱られたくない」「嫌われたくない」「責められたくない」「見捨てられたくない」「攻撃されたくない」と思うあまりに相手につき従い服従してしまう
    相手の機嫌を伺い、機嫌を取ることを優先し、言外の雰囲気を察知して先回りして相手に尽くす
  • 11.自己犠牲スキーマ
    「自分よりも相手を優先するのは当然」「悲しんでる人、困ってる人がいたら、私が何とかする」「人の役に立たなければ」と、常に周囲の気配をさりげなく察知し、相手に気を遣い、せっせと相手の世話をするが自分は置き去りに
  • 12.褒められたい・評価されたいスキーマ
    「自分の価値は、他人の評価次第」「なんとかして、みんなに認められたい褒められたい」「褒められないということは、自分がダメだということ」と、常に他人の評価軸で行動する

第4領域:物事を悲観し、自分や他人を追いつめる

「不自由」「がんじがらめ」「悲観主義」スキーマ👆
  • 13.否定・悲観スキーマ
    「どうせいい事なんかない」「頑張ったってうまく行きっこない」
    「生きていたって楽しい事なんかない」
  • 14.感情抑制スキーマ
    「怒りを感じてはならない」「楽しんではならない」
    「感情は危険だ」「感情を感じてはいけない」「泣いたら弱い人間だと思われる」
  • 15.完璧主義「べき!」スキーマ
    「100点でないとダメ」「やるからには高いレベルを!」
    「目標を達成するまで休んではならない」「手を抜いてはならない」
  • 16.できなければ罰されるべきスキーマ
    「失敗、間違い、誤り、を犯したら罰されるべき!」
    「うまく行かなかった、結局できなかった、などあり得ない!」

第5領域:自分勝手になりすぎる

「自制できない」「わがまま」「好き放題」スキーマ👆
  • 17.「オレ様、女王様」スキーマ
    「自分は、他人と違う特別な存在だ」「自分は、レベルの違う人間だ」
    「自分は特別な存在だから何をしてもよい」「自分は、特別扱いされるべき」
    「他人は、自分に奉仕すべきだ」周囲に特別扱いを要求し、それが当然であるように振る舞います。ルールを平然と破り、他人を見下し、馬鹿にする態度を取ります
  • 18.「自分をコントロールできない」スキーマ
    「やりたい事は今すぐやりたい、欲しいものは今すぐ欲しい」
    「我慢なんてしたくない、楽しいことだけやっていたい」「計画なんてどうでもいい」
    自分をコントロールすることが苦手で、やるべきことを後回しにしたり、約束を守らなかったりと、人からはだらしがない、いい加減な人と思われることがよくあります

いかがでしたでしょうか?
たくさん当てはまりすぎてどうしよう!と思われた方も安心してください、私もそうでした笑

スキーマは、子どものあなたが、無意識に選んだ「適合策」です

当時はあなたを助け、成長するための大切なOSでした
ただ、大人になった今、そのOSが少し時代遅れ(不適合)になっているだけです

不適合の正体が見えたなら、
ここから新しくアップデートして、選び直していけばいいのです

しかし、ここで一つ難しい問題があります。 これらの「スキーマ」や「ビリーフ」は、私たちの「潜在意識(無意識の領域)」ではたらいているため、自分一人で見つけることが困難です

だからこそ、専門家を使ってください

客観的な視点を持つカウンセラーと共に取り組むことで、あなたの潜在意識に眠る古いOSの構造を紐解き、安全に、そして確実に新しいOSへとアップデートしていくことができます

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