ランチタイム、ちょっと過ぎ
隣に座った女性、おふたり
多分、親子
お母さんの面倒をお嬢さんが見つつ
(といっても私より年上っぽい)
パンケーキのランチを召し上がっている
が、ちょっと和気あいあいという雰囲気ではなく
やたらとお嬢様の、
「そこに置いちゃダメ!」
「それはスプーンじゃ、食べられないでしょ?」
あーしろ!こうしろ!こうしちゃだめ!
やっぱりこうして!だから何度も言わせないで!
という声が聞こえてきて、
段々と私は、パンケーキに乗ったバナナの味が分からなくなり
…ナイフを置いた
…やれやれ
さて、深呼吸
と息を吐いた瞬間
「もう!!なんで!!」
という声と同時に
「怒」マークが飛んで行った
カキーン
はい、一旦自分の状況をサーチしてみよう
心臓がドキドキして、脈も早いし、呼吸も浅い
肩と肩甲骨に力が入り、上がっている鎖骨の下も緊張してるなぁ
はい、交感神経がバリバリ覚醒しておりまする
逃げる?戦う?モード発動して、食事どころじゃなくなってる
…やれやれ
以前ならどうしていただろう?
睨みつける?(戦うモード)
立ち去る?(逃げるモード)
なかったことにする?(凍り付きモード)
そうだね、戦うか、逃げるか、凍りつかせてその場を凌ぐか
分厚い鎧を着こんで無視、なかったことにしていたかもしれない
しかしながら今、私には神経系の知識と、ヒーリングのスキルがある
私は呼吸を整え、身体に意識を集中した
グラウンディングを深めて、自分の中心と繋がる
グラウンディングは、究極の神経系メンテナンス方法だよ
少しづつ意識を拡げ、
た瞬間
お嬢さんの、日々の疲れ、
解決されてない感情のもつれ
理想と現実、ままならない不自由さ
老いの恐れ、別れへの恐れ..
お母さんの、
申し訳ない、すまない気持ち
お母さん自身の未解決の感情
でも、娘と一緒に居られる
安堵や嬉しさ..
の、ようなものを感じてしまい
なんだか、そのおふたりを抱きしめたくなってしまった
そりゃ毎日の事ですもの、疲れますよね
お母さまも、頑張ってらっしゃいますよね
ままならないことも、ありますよね..
声を荒げることが一番イヤなのは、お嬢さんご本人ですよね
いや、わかんないよ
ただの私の投影かもしれない
それでも私の怒りや緊張はどこかへ行ってしまい
私に残ったのは、慈しみの思いだけだった
本当は、それをそのまま伝えられたらいいのにね
でも、色々な過去の思いがそれを出来なくしているんですよね..
ふと、顔を上げると一瞬、お嬢さまと目が合った
私は、微笑みを返した
面白いことにそこからは、大変、穏やかな食事となった
継続のコースを受けてくださった(ている)方の中には
ご両親との複雑な感情を抱えたまま介護をし、
最後を看取った方が数名いらっしゃいます
あの方々も、こんな風に苦労をされたのだろうか
こんな、やるせない気持ちになっただろうか
と、思いを馳せつつ
女性が、母親との複雑な感情を抱くには
やはり理由があって、
そこを解決しておくと
ほんとに、子育ても、介護も楽になるんだよー
と思ってる
大抵は、
やって欲しかったことを
やってくれなかったのに
今度は、自分が
やってあげなきゃならない
立場になってしまうから
愛して欲しかったのに!
甘えたかったのに!
守って欲しかったのに!
本人は、もらえなかった
痛みを抱えたままだから
自分はもらえていないのに
与えなきゃならないと
苦痛に感じてしまう
まずお子さんで
その過去の傷をえぐられ
次に、実際の犯人である母親に
生傷をえぐらえるのが
癒されてない傷を抱えた方の子育て、介護なので
本当にしんどいと思う
だから、子育てがつらい方は
まず自分を癒すことが一番大事
そして、周りに助けを求めることも
(禁止していることにまず気づこう)
無理をしない
ひとりで頑張らない
あなたが与えられないのは
与えることに苦痛が伴うのは
あなたのせいじゃない
そして、お母さんのせいだけでもない
自分を責めないで欲しいのです