言葉なんて、嘘じゃん!

何度も、自分がやっていること、やってきたこと、
そしてこれからやっていきたいことを言葉にしようとしてきました

書いては眺めて、眺めては丸めて捨てる
しばらく、その繰り返しをしていました

表面的なことなら、いくらでも言葉にできます

たとえば——
心理の基本的な仕組みを、多くの方にわかりやすく伝えたい
カウンセラーやセラピストをもっと増やしていきたい
自己探求の方法を、必要としている人たちに届けたい

そういう願いは、あります
それは、嘘や見栄ではない、本当のこと

でも、ここ2~3年ずっと、その「根っこ」がどうしても言葉にならなくて
もどかしさが、ずっと心の中にありました

その言葉にならなさを「根っこ」がわからないから
と思ってきたのですが、ちょっと違ったようなのです

今も、それがすっきりしたわけではありませんが
最近、ひとつだけ「ああ」と気づいたことがあるのです

それは、私は「言葉を信じていない」ということ

こんなに一生懸命、言語化しようと頑張ってきましたが
でも、どうしてもうまくいかなかった理由のひとつに

私の心の奥底に「言葉なんて、嘘じゃん」という想いが根深くあった
そんなことに気が付いたのです

本当のことを伝えたくて、正確に言葉にしようとするたびに、
心の奥で違和感が膨らんでいく

どこかで、「どうせ本当のことは伝わらない」という諦めがあって
所詮、言葉は表面をなぞるだけのもの、そう思ってしまう自分がいたのです

どんなに丁寧に誠実に言葉を選んでも、
「いや、でも違うんだよなぁ」という思いが、どこかでよぎってしまう

言葉にすればするほど、あれもこれも、
自分が本当に伝えたいことが、うまく伝えられない
そんな気がしてしまっていたのです

そりゃあ
「言葉なんて、嘘じゃん」と思っていれば仕方がない

ボディワークやヒーリングは、その点とても自然で楽に感じられます
「今、この瞬間にあるもの」を、言葉というフィルターを通さずにそのまま扱えるから

解釈しなくていい、分析しなくていい
思考によって体感覚を分離せずに、ひとつながりでいられるのです

身体感覚の中にある真実は、言葉にしてしまうと、途端に違うものへと変わってしまう
それは私にとっては、なんだか嘘のように感じられ
言語化すること自体が、少しずつ「重荷」になってしまっていたようでした

しかし次に、言葉にしないとボディワーク、ヒーリングの良さを伝えることができない
音声だろうが動画だろうが、その媒介となるのは言葉なのです

これには困りました

私の文章は、読みやすい、わかりやすいと言って頂けることが多く、言語化が得意よね?と言われることが多いのですが

書けば書くほど、表現すれば表現するほど、苦しくなっていく
「言葉にしたら、嘘になっちゃう」
この思いは、遠く幼い頃からありました

ふと、その思いに意識を合わせてみると
思いがけないほど、強い痛みの記憶がありました

「どうせ、わかってくれないじゃないか!」
「どうせ、嘘でごまかすんじゃないか!」

あぁ、これほどまで言葉に信用を置けず
だから自分の内面を言葉にするのが嫌だったのか…

その痛みの奥には、
どれだけ、すがりついた言葉に、騙され、傷ついてきたか
どれだけ、言葉を尽くして思いを伝えても、わかってもらえなかったか

という痛みの記憶がありました
もうこれは、幼い頃にとどまらず、何度も何度も人生を繰り返して、この気持ちを味わってきているようにすら感じます

しかし、この「嫌い」「信用できない」を言語化できたことで、
私はまた再び「言語」が扱えるようになってきました

確かに、感覚や感情を言葉にすると、大切な大部分は抜け落ちてしまいます

それは例えばセッションでも、その感覚は…”〇〇のように悲しい”という感覚に近いですか?
のように、クライアントさまへ質問する事がありますが

そんなときの私は、一種諦めの感覚を持ちつつも、違うことは重々承知しておりますが、なんとかその”感じ”を共有させてくださいという気持ちでいます

ただ、その受け取り方が今までは「あー、やっぱり違いますよねー」という若干がっかりな印象のものでしたが、

今は、それを二人で扱えることの豊かさの方に焦点が当たっているように感じます

諦めもあれば、違うこともわかっている
でも、そこに哀しみが付きまとわなくなったのです

あなたの奥底を理解したいと願います
理解しようと努力します

例え、言葉にしたら、抜け落ちてしまうことが大半だったとしても
言葉にしたら、異なるニュアンスになってしまうことも多いけれども

それでも、言葉を介して
あなたを、世界をわかりたい


これが、私のこの星へ生まれてきた根源の願いでもあったようです

ですので、これからも

言葉を介して、あなた自身を深く理解するためのことを
言葉を介して、世界を深く理解するためのことを


お手伝いできるようなことを、お伝えできればなと思っています